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夏の甲子園大会で初戦が1回戦からなのは不利か?【ベスト4全てが2回戦からの登場】

time 2016/08/21

夏の甲子園大会で初戦が1回戦からなのは不利か?【ベスト4全てが2回戦からの登場】

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目次

ベスト4全校が2回戦から登場

2016年の全国高等学校選手権大会は作新学院の優勝で終わりました。

作新学院のみなさん、おめでとうございます!
準優勝の北海のみなさんも素晴らしい健闘でした!

さて、今年の大会は悪天候による中断はありましたが順延は無く、日程通りに進みました。
30度を超える気温の中での戦いも多かったです。

暑い夏ですから、勝ち上がるごとに選手たちは体力的に消耗していってしまう面もあるでしょう。

今大会の特徴の1つに、ベスト4に残ったのが全て2回戦から登場したチームであることが挙げられます。

夏の大会は基本的に49校のトーナメントであることから、15校が2回戦が初戦になります。
49校の参加校のうち、15校しかいない少数派のチームがベスト4を占めるというのは確率的には不自然ですよね。

もしかしたら、2回戦から登場するチームは、1回戦から登場するチームよりも有利なのではないでしょうか?

再試合などが無く決勝まで進んだ場合、1回戦から登場は6試合、2回戦から登場は5試合になります。
勝ち進むごとに過密日程となる甲子園大会においては、試合数が少ないことは消耗度合いを抑えられることになるでしょう。

もちろん、試合の結果は相手校との兼ね合いですから、試合数の差がそのまま結果に結びつくとは限りません。
しかしながら、特に大会後半では消耗度合いの少ないチームのほうが、有利になるのではないでしょうか。

そこで今回は、過去10年の大会のベスト4の初戦が何回戦だったのかを調べてみました

2007年~2016年の夏の大会ベスト4

2007年

優勝:佐賀北(1回戦から)
準優勝:広陵(1回戦から)
ベスト4:常葉菊川(2回戦から)
ベスト4:長崎日大(2回戦から)

2008年

優勝:大阪桐蔭(1回戦から)
準優勝:常葉菊川(2回戦から)
ベスト4:浦添商(1回戦から)
ベスト4:横浜(1回戦から)

2009年

優勝:中京大中京(1回戦から)
準優勝:日本文理(2回戦から)
ベスト4:県岐阜商(2回戦から)
ベスト4:花巻東(1回戦から)

2010年

優勝:興南(1回戦から)
準優勝:東海大相模(2回戦から)
ベスト4:成田(1回戦から)
ベスト4:報徳学園(1回戦から)

2011年

優勝:日大三(1回戦から)
準優勝:光星学院(2回戦から)
ベスト4:作新学院(1回戦から)
ベスト4:関西(2回戦から)

2012年

優勝:大阪桐蔭(2回戦から)
準優勝:光星学院(2回戦から)
ベスト4:明徳義塾(2回戦から)
ベスト4:東海大甲府(1回戦から)

2013年

優勝:前橋育英(1回戦から)
準優勝:延岡学園(2回戦から)
ベスト4:花巻東(2回戦から)
ベスト4:日大山形(2回戦から)

2014年

優勝:大阪桐蔭(1回戦から)
準優勝:三重(1回戦から)
ベスト4:敦賀気比(1回戦から)
ベスト4:日本文理(1回戦から)

2015年

優勝:東海大相模(2回戦から)
準優勝:仙台育英(1回戦から)
ベスト4:関東一(2回戦から)
ベスト4:早稲田実(1回戦から)

2016年

優勝:作新学院(2回戦から)
準優勝:北海(2回戦から)
ベスト4:秀岳館(2回戦から)
ベスト4:明徳義塾(2回戦から)

2回戦からの登場はベスト4には進みやすい?

さて、10大会分のベスト4を並べてみたわけですが、驚くべき結果になりました。
なんと、1回戦からの登場チームが20、2回戦からの登場が20とピッタリ数が一致したのです。

もちろん、ピッタリと一致したこと自体は偶然です。
2016年度の大会でベスト4すべてが2回戦から登場したチームだったことで、結果的に帳尻があいました。

参考までに2006年のベスト4を調べたところ、1回戦から2校、2回戦から2校でした。
2006年から2015年を切り取れった場合は、1回戦から登場が22チーム、2回戦から登場が18チームとなります。
※2006年は優勝:早稲田実(1回戦から)、準優勝:駒大苫小牧(2回戦から)、ベスト4:智弁和歌山(1回戦から)鹿児島工(2回戦から)

とはいえ、1回戦から登場のチームと2回戦から登場のチームは、全体としては同じくらいの数がベスト4まで勝ち上がっている印象を受けます。

2007~2016年大会の、ベスト4チームの1回戦から登場、2回戦から登場チーム数の比率を取ると次のようになりました。

2校ずつ:4大会
1回戦から3、2回戦から1:2大会
2回戦から3、1回戦から1:2大会
1回戦からのみ:1大会
2回戦からのみ:1大会

ベスト4に2校ずつ残るのが1番多いパターンで4大会
それ以外の「3:1」「4:0」となる割合のケースは同数になっています。

2016年の大会では2回戦から登場したチームのみとなりましたが、逆に2014年の大会ではベスト4には1回戦から登場したチームしか残っていませんでした。

大会ごとにバラつきはあるものの、全体的に見ると、ベスト4には1回戦からの登場校も2回戦からの登場校も同じくらいの数が残る傾向にあると言えます。

ということはですよ、1回戦から登場するチームと比べて2回戦から登場するチームは少ないわけですから、2回戦から登場する方がベスト4に残れる確率が高いことになります。
2校ずつベスト4に残るとすれば、1回戦から登場の場合は約5.5%(2/37)、2回戦から登場の場合は約13%(2/15)になりますからね。
※通常の49代表校大会の場合

2回戦から登場した方が、ベスト4に名を連ねる可能性が高い傾向にあると言えるでしょう。

優勝チームは1回戦から登場が多い

ベスト4に残ることを考えたら、2回戦からの登場の方が期待が持てそうです。

では、優勝はどうでしょうか?

優勝校を1回戦から登場・2回戦から登場に分けてみると次のようになります。

1回戦から登場:7校
2回戦から登場:3校

なんと、1回戦から登場したチームの方が優勝校は多い!

さらに、決勝戦が「1回戦からVS2回戦から」であった6大会のうち、5大会で1回戦から登場のチームが勝利し栄冠を手にしています。

2回戦から登場したチームは試合数が少ないわけですから、疲労度は小さいハズ。
しかしながら、試合数を多くこなしているチームの方が勝率が良い。

それにも関わらず、1回戦から登場したチームの方が、甲子園で優勝する傾向が強いのです。

実は有利不利は無い!?

1回戦から登場したチームの方が多く優勝を飾っています。
上の項目を読むと、甲子園で優勝したいなら1回戦から登場した方が可能性が高いように見えますね。

しかし、切り口を変えてみると、そうとも言い切れないのです。

先ほども紹介しましたが、優勝校を初戦によって分けると次のようになります。

1回戦から登場:7校
2回戦から登場:3校

優勝校の傾向としては、1回戦から登場と2回戦から登場では「7:3」の割合になるわけですね。

この「7:3」という値ですが、これは参加校全体の1回戦からの登場チームと2回戦からの登場チームの割合と同じなのです。

1回戦から登場するチームは49中34校なので約70%。
2回戦から登場するチームは49校中15校なので約30%。
「7:3」ですよね。

そもそも、2回戦から登場するチーム数自体が少ないのだから、優勝回数が少ないことは不思議ではありません。
むしろ、全体の3割しかいない2回戦からの登場校が、ちゃんと3割の確率で優勝できていると言った方がいいのかもしれません。

つまり、1回戦から登場したチームと2回戦から登場したチームは、全体でみるとバランスよく優勝を手にしているのです。

この数字を見たときは、うまく収まっているなぁと思いました。

おわりに

炎天下の中で約2時間試合が続く高校野球。
2回戦から登場するチームは試合数が少なくて済むから有利な印象を受けます。

しかし、ベスト4以上のチームを対象に単純な比較をしたうえでは、絶対的に2回戦から登場する方が有利なワケではなさそうです。

選手の体調管理という意味においては、休養が十分に取れないのであれば試合数が少なくなるのは良いことでしょう。
ただし、それがそのまま大会の結果に繋がるかというと、全体としてはそこまでのインパクトはないのかもしれませんね。

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