2017/03/15
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目次
日米大学野球開幕!
2016年7月12日より、第40回日米大学野球選手権大会が開幕しました。
開催地は日本。
7月12日~7月17日までの間に5試合が行われます。
使用球場は「HARD OFF ECOスタジアム新潟」「静岡草薙球場」「明治神宮野球場」の3球場。
期間中代表チームは各地を移動します。
日本代表は今年の秋に行われるNPB(日本プロ野球)のドラフトで指名が期待される4年生の選手が多数選出されています。
また、来年・再来年に期待の3年生、2年生も名を連ねています。
野球大国アメリカ代表相手に、プロ注目の選手たちがどんな戦いをするのか楽しみですね。
さて、本大会の出場選手を見て気になったことがあります。
日本代表が4年生を中心に選ばれているのに対し、アメリカ代表は1・2年生ばかり。
!?
大学4年生VS大学2年生ということは、日本代表は2学年下の相手と戦っていることになります。
単純に考えれば2歳年下です。
実力と年齢が比例するとは限りませんが、大学生の2学年の差って結構大きいのではないかとも思います。
なぜだ!?アメリカ代表は日本代表をナメているのか!?
どうしてアメリカ代表は下級生中心なのでしょうか。
その理由を調べてみました。
日米の大学生の年齢
まず考えたのは、日本とアメリカの大学の学制の違い。
もしかして、アメリカの大学2年生は日本の大学4年生と同じ年齢になるのでは?
アメリカの大学(高等教育)は大きく次のように分かれます。
・コミュニティ・カレッジ(2年制大学または専門学校)
・ユニバーシティ・カレッジ(短期大学:2年修了で学士号取得)
・ユニバーシティ(4年制大学)
各学年の就学開始年齢は次の通り
1年生:18–19歳
2年生:19–20歳
3年生:20–21歳
4年生:21–22歳
※大学生の年齢については飛び級や浪人、再入学など様々なケースがありますが、本記事ではストレートに就学したケースで話を進めます。
はい、日本とほぼ同じですね。
アメリカの大学2年生は、日本の大学2年生と同じ年齢である場合がほとんど。
やはり日本の4年生の方が、年齢的に2歳ほど上になるのです。
実際、アメリカ代表の各選手の年齢は19~20歳でした。
もしかして、コミュニティ・カレッジやユニバーシティ・カレッジの最上級生が中心メンバーなのでしょうか?
そうであれば、ちょっと苦しい理屈ですが、一応は最上級生のメンバーが中心の対決となりますよね。
しかし、各選手の在籍大学を確認しましたが特にそういうわけではないようです。
アメリカの大学の年間スケジュール
アメリカの学校は9月に始まって翌年6月に終わるスケジュールになっている。
そんな話を聞いたことありませんか?
日本の学校は4月から翌年3月までで1年のスケジュールが組まれています。
それに対し、アメリカは9月から始まり5月末~6月で終わります。
※州によって異なる場合があります。
アメリカの高校は5月末~6月が卒業時期。
そして、大学へ進学する人は9月から大学生になるケースが多いです。
「多いです」と書いたのは、アメリカの大学では2学期制、3学期制、4学期制といったものがあるから。
数か月単位で学期が分かれていて、それぞれ独立しています。
そのため、9月から12月までの秋学期と1月から5月までの春学期に分かれた2期制の大学の場合だと、入学時期は9月と1月の年2回、卒業時期は5月と12月の年2回あるのです。
必ずしも、9月~6月ではないということですね
とはいえ、前述したように9月から大学生活をスタートしている大学生が多数派。
今回の日米大学野球選手権に出場しているアメリカ代表の2年生選手の場合、9月から3年生になります。
そう考えると、日本の大学4年生VSアメリカのほぼ大学3年生ということになりますね。
しかし、まだ1学年の差はあるわけですが。
MLBのドラフトルール
アメリカ代表が大学1、2年生主体である最も有力な理由を見つけました。
そこにはMLB(メジャーリーグ)のドラフトが関係しています。
NPBでは毎年11月頃にドラフト会議が行われます。
大学生で指名対象となる選手は次の条件があります。
・翌年3月卒業見込み、4年間在学している選手
ドラフトで指名された選手は、翌年1月の新人合同練習を経て、2月にキャンプインするのが通例です。
しかしながら、その時点ではまだ卒業前の大学生。
キャンプ期間(オープン戦期間)中に、卒業式への出席のために一時的にチームを離れたりしますね。
一方、MLBのドラフトは毎年6月上旬に開催されます。
大学生の指名対象については次の取り決めがあります。
・大学生は3年以上在学している選手、または2年以上在学している21歳以上の選手のみ
日本と異なり、多くの大学生が1年間のスケジュールを終えた時期にドラフトがあります。
また、卒業する選手でなくても条件を満たせば指名されるのです。
今回の日米大学野球選手権に出場するアメリカの選手は1、2年生で20歳以下。
指名対象の条件にはあたらない選手たちです。
しかし、来日したアメリカ代表の2年生より1学年上または1歳上の選手なら、今年のドラフト指名対象。
6月にドラフトは終わっているので、指名を受けてすでに契約を交わした選手は多いでしょう。
指名チームと契約を締結した選手は、マイナーリーグ(主にルーキーリーグやシングルAなど)に合流します。
つまり、アメリカの大学3年生以上の有力選手は、ドラフトで指名を受けてプロになっている選手も多いのです。
大学は9月から始まるため、6月のドラフトは学年終わりのキリのよいタイミング。
そのため、指名を受けたら大学を中退する選手も多いのです。
一部の選手は中退せずに、通信制やオフシーズンの単位取得で卒業を目指すこともあるようですが。
また、MLBのドラフトはNPBのドラフトと比べて大量の選手が指名を受けます。
MLBはNPBよりもチーム数および下部組織のチーム数が多いので全体の指名選手が多くなるのは当然。
それ以外に、入団拒否をする選手も多いことも大量指名の理由として挙げられます。
在学中の選手は指名順位が低ければ入団拒否をして進級し、翌年のドラフトでもっと上の順位での指名を狙うこともあります。
他競技においても活躍する選手が存在し、野球以外のスポーツを選ぶために入団しない場合もあります。
そのため、一定数の入団拒否を見越して、より多くの選手が指名される傾向にあるのです。
そして、大量の選手が指名される中で指名を受けなかった3年生以上の選手というのは、実力的に大した選手ではないという見方ができるのです。
まとめ
日米大学野球選手権に出場するアメリカ代表の選手が1、2年生中心である理由。
それは、3年生以上の有力選手がドラフトで指名されるためと言えるでしょう。
指名を受けても入団拒否する選手はいますが、そういった渦中の状態にある選手を代表としては選出しづらいでしょう。
ドラフトは6月で、日米大学野球は7月。
時期的にも指名の可能性のある選手を選出するのは難しそうですよね。
そして、指名を受けないレベルの選手を選ぶよりは、翌年以降に指名が有力な下級生のスター選手を選出する。
確かに、下級生の有力選手で組んだチームの方が実力的に上である可能性が高そうです。
つまりアメリカ代表は、日本チームを見下して下級生主体のチームを編成したのではなく、MLBドラフトとの兼ね合いの中でベストチームを編成したといえるのではないでしょうか。
来日した選手の中には、来年のドラフトで指名を受けることになる選手もいるハズ。
アメリカ代表選手は今のうちからチェックしておきたいところです。
とはいえ、日本代表よりも年齢的には下のアメリカ代表。
年下中心のチームに負けないように、日本チームには頑張ってもらいたいですね。